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Domain Specific AIとは

Domain Specific AIは特定の用途に特化した、小さなAIのことです。先ほどStable Diffusionの話がありましたが、この国ではあまり話題になっていないように感じます。

AIの問題の一つとして「ハルシネーション」、日本語では「幻覚」の意味ですが、AIが嘘を言うという現象があります。ChatGPTも時々嘘をつくことがありますが、この問題を抑えるのは非常に難しいのですが、小さなAIの方が、その辺のコントロールがしやすいと言われています。

小さなAIモデルは、パラメーターの数が少ないため、マシンパワーも大きなAIに比べて小さくて済みます。こうしたドメインスペシフィックの例はあげればきりがないのですが、Googleは医療専門のAIを作っていたり*1、Bloombergは金融の話に特化したAIを開発*2しています。さらに、Metaはプログラミング言語に特化したAIを作成*3しています。

Hugging Faceについて

また、先ほど触れたHugging Face(ハギングフェイス)についても触れておきます。Hugging Faceは、日本ではまだあまり話題になっていないようですが、インターネット黎明期にYahoo!がサイトを手で整理して電話帳のようなディレクトリを作ったのと同様に、AIの時代にもAIモデルの整理と公開が行われています。当初は各開発者が自分でモデルを公開していましたが、Hugging Faceという会社がそれを取りまとめるようになり、現在では81万以上のAIモデルがアップロードされています*4。おそらく、Hugging FaceはAI時代のヤフーのような存在になるでしょう。まだ上場はしていませんが、すでに数千億円の価値があると言われています。

Hugging Faceでは、AIモデルを検索してダウンロードすることができ、さらにHugging Face上で実行してみることもできるようになっています。簡単に試すことができますので、興味があればアクセスしてみてください。使い方が少し難しいかもしれませんが、自分が作りたいAIの元となるモデルを引っ張ってきて、そのAIに自分のデータを学習させて独自のAIを作るという時代がすでに始まっており、アメリカではこうした研究開発が非常に活発に行われています。

Hugging Faceに登録されているモデル
Hugging Faceに登録されているモデル

Domain Specific AIまとめ

ドメインスペシフィックAIについては、本当に多くの企業がオープンソースモデルを開発して無償で公開しています。日々モデルが公開されており、それをダウンロードして自社のサーバーでカスタマイズし、運用することができます。データは守られ、ユーザーが増えてもコストが予測しやすく、柔軟に対応できるという利点があります。どのモデルを選ぶかということが重要で、選んだモデルをうまくカスタマイズできれば、巨大な投資をしなくてもAI競争に参戦することが可能です。


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