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事例

スーパーコンピュータ「富岳」を用いた大規模グラフ解析

理化学研究所、東京科学大学、株式会社フィックスターズ、NTT、富士通株式会社による共同研究グループ

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概要

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    理化学研究所、東京科学大学、株式会社フィックスターズ、日本電信電話株式会社(NTT)、富士通株式会社が共同でスーパーコンピュータ「富岳」を使用し、大規模グラフ解析を実施
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    「富岳」はGraph500のBFS(Breadth-First Search:幅優先探索)部門で10期連続で世界第一位。スコアは204.068TeraTEPSで、世界で初めて200TeraTEPSを超えた。
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    「富岳」の152,064ノード(全体の約95.7%)を用いて、約8.8兆個の頂点と140.7兆個の枝から構成される超大規模グラフに対する幅優先探索問題を平均0.69秒で解いた。最新の測定では、共同研究グループが開発した省メモリ化技術を用いることで、「Graph500」ランキングでこれまで例がない大規模なグラフの処理に成功

プレスリリース 世界初、スーパーコンピュータ「富岳」を用いてグラフ解析性能200 TeraTEPSを突破

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スーパーコンピュータ「富岳」

背景

実社会における複雑な現象は、大規模なグラフ(頂点と枝によりデータ間の関連性を示したもの)として表現される場合が多く、コンピュータによる高速なグラフ解析が必要。

技術で取得された大量のデータをグラフに変換して計算機で高速処理することにより、新しい価値を産み出す新規ビジネスの開拓が推進されている。

高速なグラフ解析は、「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち特に9(産業・技術革新・社会基盤)および11(持続可能なまちづくり)の推進に大きく寄与することが期待されている。

成果

下記(1)~(6)の先進的なソフトウェア技術を高度に組み合わせることにより、今後予想される実データの大規模化および複雑化に対応可能な世界最高レベルの性能を持つグラフ探索ソフトウェアの開発に成功した。

  1. 複数のノード間におけるグラフデータの効率的な分割および圧縮
  2. 冗長なグラフ探索を削減するアルゴリズム
  3. BFSの結果に影響を与えずに不要な頂点を削除する前処理
  4. スーパーコンピュータの大規模ネットワークにおける通信性能の最適化
  5. 探索アルゴリズムの動作を制御するパラメータの自動チューニング
  6. 乱数による性能変動を緩和するシード値探索

ソリューション

「富岳」が「Graph500」のBFS部門における第1位を獲得したことで、科学技術計算でよく用いられる規則的な計算だけでなく、不規則な計算が大半を占めるグラフ解析においても高い性能を発揮することを実証した。

幅広い分野のアプリケーションに対応できる「富岳」の優れた汎用性を示した。

共同研究グループでは「富岳」で処理可能なグラフデータの規模を倍増させるための改良を進めており、今回の測定で得たデータを基に性能改善を加速させる。

Graph500decoration:スーパーコンピューターのグラフ処理性能を競い、上位500位までの順位を発表するプロジェクト。

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